場面緘黙症、中学入学。
女子のグループ行動。
中学校に入学した。
市内で一番新しい中学校。
私たちの学年が入学して、3学年揃った、と言うまだ真新しい学校。
新しい気持ちで、新しい生徒たちと生まれ変わった様な自分になれる、などと勝手に思っていた。
『環境が変われば、自分も変われる』・・・
否。
どこに行っても自分は自分だ。
・・・まあ、そのことを知るには、中学生になった私はまだ幼く、高校生になってもわからずに、高校を卒業してから理解した。
『自分から変わらないと、環境を変えても、変われない』
・・・のだ、と言う事を。
中学に入学しても私は相変わらず話すことは出来ないし
新しい環境に余計に委縮してしまう。
それでも、新しい環境に緊張しているのは私だけではなく、みんな同じなのだ。
別の小学校から来た女の子が、手紙をくれた。
文章でなら語ることが出来る私は、すぐに返事を書いた。
お互いに自己紹介のような事を書いていたと思う。
さて、お弁当を一緒に食べる時など、グループで食べることになった。
小学校の時より、自主的に動かねばならず、席の近い人で男女混ざって作るグループでは無く、好きな者同士で一緒に食べる。
『余ったら嫌だなあ・・・』と思っていたので、その手紙をくれた女の子とは、あらかじめ一緒にお弁当を食べる約束をした。
手紙で、だ。
特に学校でその事話した覚えはない。
一方的に話しかけてくれていたと思う。
入学時の最初の時期だけだけれど、私に興味を持って、友達になろうと手紙のやり取りをしてくれた子、という事で彼女には感謝している。
とかく、中学生ともなると一人で行動するのは浮いてしまい、みんな周りを意識して、そして自意識過剰で、教室が一層息苦しい場所になっていた。
そのうちその女の子は私以外の別の子と仲良くなって、私は特に親しい友人も出来ずに、自分からは喋る事も出来ないまま、中学生活が続いた。
女子のトイレにも一緒に行くようなグループ行動が出来ずに、浮いていたし、そんな自分をどうにも出来ずにいた。